第6回 むくろじの実
むくろじの実がまだ落ちずにがんばっています。
今回ほど、むくろじを眺めたことはありません。というのも、拙寺のむくろじ、鐘楼の脇にありますので、毎日鐘つきに行くたび、日々の変化を見たからです。春、枝に芽吹いた葉が次第に緑濃くなり、夏には庭いっぱいに花粉を落とします。秋になると緑色の実が垂れさがり、冬には葉がおちても実がしっかり枝にしがみついています。むくろじは無患子と漢字で書きます。こどもの病気を治す薬になったとか、せっけんの代用品となることから、衛生面でこのような漢字になったとも言われています。でも、なじみ深いのは羽子板の羽根の玉といった方が分かりやすいかもしれません。